6-1. 二項分布-2

ここでは、6. 二項分布で取り上げた例2について考えてみたいと思います。

例2は、こんな疑問です。

 あなたは学校の先生で、生徒に単元終了時に○×クイズを出します。生徒は、○×で回答しますので、あてずっぽうで回答しても1/2は正解する可能性があります。では、20問問題を出したとして、いったい、何問以上正解できたら、生徒はあてずっぽうでなく、分かって答えているといえるでしょうか?

 あてずっぽうに答えると正答率の期待値は1/2=0.5です。つまり、20問であれば、あてずっぽうで答えても10問は正解できる可能性が高いわけです。では、ここで20問(試行)した場合の二項分布をみてみましょう(下図)。

 このように期待値が0.5となる確率が一番高いのはもちろん、20試行中10回正解する場合です。緑線は確率0.05(5%)のラインで14問正解から15問正解の間です。何十回か20問のテストを繰り返した時、あてずっぽうで回答して15問以上正解できる可能性は5%以下ですので、15問以上正解したら、分かって答えているとしてもいいかもしれません。もっと厳しくするとしたら、赤線の0.01(1%)ラインを基準として、17問以上正解としてもいいかもしれません。

 この二項分布を使って考えられるのは、「各試行がお互いに"独立"」していることが前提です。例えば、試験問題の問1で算出された数値を問2でも使って回答するような場合は、問1で正しい答えが出ると問2で正答できる可能性が高くなるといった関係性がでてくるので、"試行が独立していない"と言えるため、二項分布を使うことはできません。

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